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緊急連絡網の配信できない理由

緊急メールを保護者に配信

秦野市教育委員会は、市内の小中学校6校に通う児童・生徒への安全対策として、保護者の携帯電話やパソコンに不審者情報などを一斉配信する、「学校緊急メール配信システム」を活用した情報提供サービスを開始する。平成20年度からは、市内の全幼・小・中学校で、運用を進める予定だ。

9月上旬からメール配信システムを開始するのは、希望した南・東・西・渋沢小学校と渋沢中学校の5校。また、今年6月下旬からは広畑小学校で、既にシステムが試行されている。

システムは、配信を希望する保護者のアドレスを事前登録し、送信する学校側が配信業者のサーバーにアクセス、配信する内容を書き込み携帯電話やパソコンへ情報を一斉送信するもの。現在の電話や書面による連絡網と併用され、情報によっては、送信する学年を絞り込むこともできる。

情報は、不審者情報を市教委が受け、学校が配信するほか、学校が児童・生徒から独自に収集した情報を、学校長が判断して送信する。また、運動会などで悪天候による急な日程変更や、日常の連絡などにも利用する。

市教委によると、市内の不審者情報は毎月3~4件程度寄せられ、そのうち月に1~2件を保護者に書面で通知してきた。既にシステムを試行している広畑小では、全児童の73・9%にあたる235人の保護者が登録しているが、運用開始後、8月22日までの間に不審者情報のメール配信はないという。

市教委では、「(メールによって)正確で迅速な情報伝達ができる。できるだけ多くの保護者に登録していただきたい」と話している。

この記事にある連絡網の導入方法が一つの完成された形だと思われる。

既存の電話や書面による連絡網と併用される点はとても良い。連絡網はそれぞれ特徴があり、一長一短がある。どれもベストとはいえない。 だから複数の連絡網を平行して利用するという発想が生まれる。それぞれの連絡網の特徴を捉え適材適所で利用すると良い。

運動会などで悪天候による急な日程変更や、日常の連絡などにも利用する点は、連絡網を継続的に利用するのに非常に都合が良い。 連絡網も使わなければ忘れられてしまう可能性もあるし、問題が発生したときにメールアドレスが変更されている場合もある。 日常利用されることで、受信者の意識を常に向けておける。

しかし、不審者情報を月に1~2回保護者に書面で通知していたはずなのに、システム導入後2ヶ月で1不審者情報のメール配信がないという。 単純に不審者がいなかったという理由も考えられるが、緊急連絡網が配信できなかったのでは?とも考えられる。

緊急連絡網は即時性に優れるが、その即時性から生まれる弊害ももちろんある。 緊急連絡網に焦りを覚えた保護者が学校に殺到することで事故が起こるかも知れない。 学校の電話に保護者からの連絡が殺到して重要な電話をかけることが出来ない状況が生まれるかもしれない。

緊急連絡網の重要性は否定しないが、運用は非常に難しい。 「学校緊急メール配信システム」という名称よりは、「学校情報メール配信システム」という名称で呼び、 緊急連絡網よりも通常連絡網として利用した方が良いとお勧めする。

それでも緊急連絡網として運用したいのであれば、緊急情報受信時の対応方法を決めておいてほしい。 パニックを防ぐためには受信者全員の理解が絶対必要だ。

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